製造業向け在庫管理システムを選ぶとき、最初に決めるべきなのは「クラウドかオンプレか」ではありません。社長が見るべきなのは、現場で入出庫を記録できるか、棚卸が楽になるか、欠品と過剰在庫の両方を減らせるかです。
小規模工場では、材料、購入品、工具、治具、消耗品、仕掛品、完成品が同じ「在庫」という言葉で混ざりがちです。しかし管理方法は違います。材料は発注点、仕掛品は工程、完成品は出荷、工具は貸出や所在が問題になります。
在庫管理システムの種類
| 種類 | 向いている会社 | 注意点 |
|---|
| クラウド在庫管理 | 材料や消耗品をスマホで管理したい小規模工場 | 生産計画や原価管理までは別機能になる場合がある |
| IoT重量計型 | ネジ、副資材、粉体、液体など数える負担が大きい会社 | 置き方、品目特性、設置数で費用が変わる |
| 販売・在庫管理システム | 受発注、出荷、売上と在庫をつなげたい会社 | 初期設定とマスタ整備が必要 |
| 生産管理システム | 受注、工程、仕掛、原価まで管理したい会社 | 導入範囲が広く、現場運用の整備が必要 |
候補になるサービス
zaicoは、スマホとPCで在庫情報をリアルタイムに同期し、バーコードやQRコードのスキャン、入出庫、ロット管理、発注点管理などを案内しています。小規模工場が紙やExcelから移行する候補として検討しやすいサービスです。
スマートマットクラウドは、在庫をマットに置いて重さで数量を把握するIoT型の在庫管理サービスです。ネジ、部品、副資材、粉体、液体など、数える作業そのものが負担になっている会社に向きます。
アラジンオフィスは、販売管理・在庫管理・生産管理領域を扱う業務システムです。受注、発注、入荷予定、倉庫別在庫など、販売や物流と在庫を一体で見たい会社に向きます。
導入前に整えること
- 管理対象を材料、仕掛品、完成品、工具、消耗品に分ける
- 品番、品名、単位、保管場所を統一する
- 入庫、出庫、返品、廃棄のタイミングを決める
- 棚卸の頻度と責任者を決める
- 発注点と安全在庫を決める
在庫管理システムは、現場が入力しなければ使えません。バーコードを貼る場所、スマホを置く場所、誰が入出庫を押すかまで決める必要があります。
在庫管理システムで失敗する会社の共通点
失敗しやすいのは、在庫管理システムを「棚卸を楽にする道具」とだけ見てしまう会社です。棚卸は確かに楽になりますが、日々の入出庫が正しく入っていなければ、結局棚卸で大きな差異が出ます。システム導入の本丸は、毎日の動きを記録することです。
もう一つ多いのは、材料在庫と仕掛在庫と工具在庫を同じルールで管理しようとすることです。材料は発注点、仕掛は工程進捗、工具は所在、完成品は出荷予定との関係が重要です。まず対象を絞り、材料または消耗品など、効果が見えやすい範囲から始める方が定着します。
最初にシステム化しやすい在庫
- 欠品すると生産が止まる副資材
- 品番が明確な購入部品
- 棚卸差異が多い材料
- 定期的に発注する消耗品
- 倉庫と現場で数量認識がずれる品目
在庫管理は、原価管理や生産管理ともつながります。ただし、最初から全部つなげようとすると重くなります。まず在庫数が信頼できる状態を作り、次に発注、工程、原価へ広げていく順番が現実的です。
在庫管理は単独の仕組みではなく、生産管理、原価管理、現場端末とつながって効果が出ます。先に次の記事も読むと、どこからシステム化するか判断しやすくなります。
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よくある質問
Q. Excel在庫管理からすぐに移行できますか。
A. 品番、単位、保管場所が整理されていれば移行しやすいです。逆に、同じ品目が複数名で呼び方違いになっている場合は、先にマスタ整理が必要です。
Q. バーコード管理は必須ですか。
A. 必須ではありませんが、品目数が多い、似た部品が多い、棚卸差異が多い会社では有効です。スマホスキャンで始められるサービスもあります。
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