測定器校正サービスを選ぶとき、社長が最初に確認すべきなのは料金表だけではありません。どの測定器を、どの周期で、どの証明書で、どのタイミングに校正するかを決めないと、品質監査の直前に慌てることになります。
ノギス、マイクロメータ、ゲージブロック、ダイヤルゲージ、トルク機器、電気計測器など、現場で使う測定器は会社によって違います。校正は「測定器がどれだけずれているかを確認する」作業であり、合否判定や修理とは意味が違います。この違いを理解せずに依頼すると、必要な書類が足りないことがあります。
校正・検査・修理の違い
| 種類 | 意味 | 見るべき書類 |
|---|
| 校正 | 測定器の示す値と基準との差を確認する | 校正結果、校正証明書 |
| 検査 | 規格や判定基準に対して合否を確認する | 検査成績書 |
| 修理 | 故障や不具合を直し、必要に応じて精度確認する | 修理報告書、修理後検査書類 |
ミツトヨの引取りサービスでも、検査、校正、修理の違いが説明されています。校正結果には合否判定が記載されない一方、検査成績書には判定結果が記載されます。品質保証で必要な書類がどちらなのか、先に確認してください。
候補になる校正サービス
| 候補 | 向いている測定器 | 確認ポイント |
|---|
| ミツトヨ引取りサービス | ノギス、マイクロメータ、ゲージブロックなど精密測定工具 | 検査・校正・修理、JCSS対応、まとめ校正予約 |
| JEMIC | 電気計測器、高電圧・大電流関連 | JCSS校正、一般校正、出張・提出校正の範囲 |
| 地域の校正会社 | 汎用測定器、短納期、近隣対応 | 対応範囲、証明書、トレーサビリティ、引取可否 |
| メーカー校正 | 特定メーカーの専用測定器 | 修理対応、純正部品、対象機種、納期 |
ミツトヨは測定工具や基準器、校正機器など配送可能な商品の引取りサービスを案内し、40点から200点までの一括校正予約サービスも提供しています。測定工具が多い会社では、年度計画に組み込むと管理しやすくなります。
JEMICは電気計器の校正業務を扱い、JCSS校正、一般校正、提出校正、巡回校正などの情報を公開しています。電気・高電圧・大電流関連の測定器がある会社は、測定工具とは別に検討すべきです。
社長が決めるべきこと
- 校正対象の測定器台帳を作る
- 校正周期を測定器ごとに決める
- 必要な証明書の種類を取引先や規格要求から確認する
- 校正中の代替測定器を用意する
- 不合格やずれが出た場合の処置を決める
校正で怖いのは、測定器を出した後に現場が測れなくなることです。出荷検査で使う測定器、工程内検査で使う測定器、予備測定器を分け、校正スケジュールを生産計画と重ねて確認してください。
校正管理で起きる現場トラブル
校正管理でよくあるのは、測定器そのものは校正されていても、現場でどれが使用可なのかわからない状態です。シールが剥がれている、校正期限が小さくて読めない、台帳と現物の保管場所が合っていない、予備品がどこにあるかわからない。こうなると、品質監査だけでなく日常検査でも不安が残ります。
また、不合格や大きなずれが出たときの処置も重要です。その測定器で過去に測った製品をどう扱うのか、再検査が必要なのか、出荷済み品に影響があるのかを決めておかないと、校正結果を受け取った後に判断が止まります。
校正台帳に入れる項目
| 項目 | 理由 |
|---|
| 管理番号 | 現物と台帳を一致させる |
| 測定器名・メーカー・型式 | 依頼先と対象可否を確認する |
| 使用部署・保管場所 | 現物確認をしやすくする |
| 校正周期・期限 | 期限切れ使用を防ぐ |
| 証明書の種類 | 取引先や監査要求に対応する |
| 異常時の処置履歴 | 品質リスクを追跡する |
測定器が多い会社では、まとめ校正予約や校正月の分散も検討してください。全部を同じ月に出すと管理は楽ですが、現場の測定能力が一時的に落ちることがあります。
品質管理全体の流れとしては、図面管理・文書管理システムの記事や、測定器と検査記録をどう残すかというテーマともつながります。
よくある質問
Q. 校正周期は1年でよいですか。
A. 一律1年とは限りません。使用頻度、重要度、測定器の状態、取引先要求、品質規格を見て決めます。重要測定器は短い周期にする場合もあります。
Q. JCSS校正は必ず必要ですか。
A. 必ずではありません。取引先要求や品質保証上の必要性で判断します。通常校正で足りる場合もあれば、JCSS校正が求められる場合もあります。
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